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こんなはずでは・・・

一年を過ぎる頃までは、中古旦那もサスケの育児を楽しんでいました。夜、旦那が仕事から帰るのを待ってよく一緒に散歩に出かけました。
そんな時、サスケのリードはもっぱら中古旦那が持ちます。そして、公園内に入るとノーリードにして鬼ごっこなどをして遊びました。『とぉーちゃんのところに行けぇ〜』でダッシュ。『かぁーちゃんのところに行ってこい』で広場の反対側にいる私のところに飛んでくるといった案配。
運動にもなるし、私たちも楽ができる散歩でした。
それが、サスケが10ヶ月をすぎる頃から様子が変わって来たのです。私のところに戻ってくる時、サスケはほとんど毎回私に飛びかかり服にかみつくようになったのです。
ここで、私が負ける訳にはいきません。飛びつくサスケを両手で押しやりました。道路を歩くときのリードも私が持つようにしました。マニュアル本によくあるようにサスケが引っ張るとすかさず反対方向に歩き出しました。公園の広場で取っ組み合いをしたこともあります。サスケが降参して力を抜くまでとにかく押さえつけるという荒技でした。中古旦那は半ばあきれ、公園を居合わせた人には好奇の視線を浴びました。でも私は必死でした……。サスケには絶対に私の方が偉いんだと教えておかなくてはいけないんです。
そう、信じていました。

ある本との出会い

サスケが1歳の誕生日を迎える頃には、途方にくれる日々をすごしていました。
なんでこの子はこんな事をするんだろう。もっとやらなくてはいけないしつけの方法があるのだろうか。
サスケのことが理解出来ませんでした。
買い物に出かけると必ず本屋に立ち寄り犬の飼い方などの本に目を通しました。
ある日、いつものように買い物の途中、大きな本屋さんに立ち寄り、犬の飼い方などのコーナーで何冊かの本を手にとっては今のサスケに必要な情報を求めていました。
その時、ふと目にとまった本がありました。『犬(こ)そだて…犬そだてにちょっぴりつかれたパパとママへ』というマニュアル本というよりエッセイのような本で、犬の訓練士をなさっている五嶋嶺子さんが書いた本でした。
まえがきにこんな一文がありました。『飼い主さんはどうしてマニュアルに書かれていることをなんの疑いもなく信じ込んでいるの?どうして変だと思わないの?』『十頭いたら十頭の性格があるのですから、人なつこい子もいれば、シャイな子もいます。それは犬種に関係なく、それぞれの個性なんです。』

「あぁ、私はいったい何をしていたんだろう」

サスケがどんな性格の子なのかを知ろうともせずに……。サスケのことが理解出来ないのは当たり前です。本当に情けなくなりました。
“心構え”に書きましたが、『よい飼い主になろう』と努力しました。でもそれは、よその人から見て、きちんとワンコのしつけをしている飼い主という意味だったのです。
私がしなくてはいけなかったのは、サスケにとって最高の飼い主になる努力だったんです。
この本はもちろん購入し、何度となく読み返しました。

告白

サスケは笑顔が大好きな子です。目が合い『にこっ』と笑いかけると嬉しそうに飛んでくる子でした。
でも、「しつける」ことに必死だった私はいつからか笑顔を見せることがなくなっていました。
子犬の時から、サスケが大きくなった時に困らないように、上位者として君臨しなくてはと頑張っていました。
悪いことをしたときは叩きました。それでも懲りないとさらに強く叩きました。
サスケが降参するまで許しませんでした。
ずいぶんと追いつめてしまったと思います。
私がしてきたことは、サスケが全幅の信頼を置いて頼る事の出来る飼い主ではなく、
『今に みてろよ。俺に力がついてきたらやっつけてやる』と思われても仕方のない事ばかりでした。まさに‘裸の王様’です。サスケは私が何も身につけていないことを見抜いていたんですね。

もうひとつの出会い
この本との出会いと同じ頃、うちでもようやくインターネット生活がはじまりました。
サスケのしつけで思い悩んでいた私が最初に検索をしたのはワンコ関係のHPでした。(今も同じようなものです。)
多くの方がワンコとの生活を楽しんでいる様子を見て、うらやましく思い、私もいつか、サスケとの楽しい生活をHPにアップしようと考えたものです。
まぁ、今の生活も、ある意味では充実した楽しい生活といえないこともないですが……。
ある時、HP検索でオーストラリアンシェパードを探していました。そして、とあるオゥシーのサイトを見つけました。内容は多岐に渡り、それまで皆無だったオゥシーという犬種についての情報が豊富に書かれていました。
特にオゥシーの悩み相談室をみるとうちと同じような悩みを持っていらっしゃる方がたくさん見受けられ、サスケだけが特別なわけではないのだと安堵したこともありました。
もちろん、だからこれでいいのだとは思いませんでしたが。
告白・part2
オゥシーという犬種について何も知りませんでした。勉強をしようとも思っていませんでした。
私はポコをキチッとしつけたと思っていましたが、それは間違いでした。
ポコはもともとの性質が引っ込み思案だったのです。
それを補ってやることもせず、逆に、飼い主だけにしか心を開く事の出来ないポコをいい子だと感じていたのです。

サスケを『りっぱなワンコ』に育てようと頑張って来ました。でも『りっぱなワンコ』ってどんなワンコなのか……。それすら考えようとしませんでした。
今はこう考えています。『ワンコは飼い主次第で名犬になれるし、駄犬になってしまうものなのだ』
そして、ワンコに飼い主を選択する機会はなく、私が選んでサスケを迎えたのですから、名犬にしてもらうのはサスケの当然の権利なんです。
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